風流あじろ笠 (1954)
2021-10-30


これも宝塚映画製作で東宝が配給の時代劇で主演が小堀明男で
監督は丸根賛太郎。先月今月、衛星劇場でやっています。
濡れ衣を着せられ切腹した水野十郎左衛門(小堀明男が二役)の
息子の小堀明男(のちに普鈴・ふりんを名乗る)は連座の刑を逃れ
親戚に預けられる。
映画はそんな彼がその後、中国に渡り少林寺の修行僧となり、
日本に戻り、行方不明の母(夏川静江)と幼き日より許婚だった
さよ(尾上さくら)に巡り合うまでを描いています。
原作が長谷川伸の弟子と言っていい村上元三なので、やはり
長谷川伸の影響をかなり受けた因縁話めいた内容になっています。
共演者が東映専属の月形龍之介、大映専属の長谷川裕見子(長谷川
一夫の姪で船越英一郎のお母さん)、新東宝専属の江川宇禮雄 と
各社から動員されています。
小堀明男が「次郎長三国志シリーズ」(これも村上元三の原作)で
人気絶頂の頃の作品です。
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トンチンカン 怪盗火の玉小僧 (1953)
2021-10-28


宝塚映画製作で東宝が配給のコメディー調の時代劇で監督は
斎藤寅次郎。今月、衛星劇場でやっています。
誰が主役か解りにくいですが、しいて上げれば浅茅しのぶでしょう。
タイトルにある義賊の火の玉小僧が誰なのかは最後に解りますが
実際に登場する場面が少ないので、映画全体の中でほとんど意味
がありません。
映画は因業な商人の志茂山剛が殺される事件とその仲間の金貸し
の三井滝太郎が刺される事件、これとは別に女狂いの大身の
益田キートンの3人に苦しめられる人々が登場します。
笑いをとるのは大工のコンビの伴淳三郎、田端義夫と目明しの
浅茅しのぶの子分の堺俊二。
他に 浅茅しのぶの妹が翼ひかる、三井滝太郎に金を借りてる商人
の親子の大江将夫、打田典子(青春ジャズ娘に出ている歌の上手い
子役)や武士の父娘に 杉山昌三九、尾上さくら、また娘を
益田キートンの家の奉公するよう求められている母娘に清川虹子、
藤乃高子が扮し共演しています。
一体、誰に見せたい映画なのか解りにくいですが、やっぱり宝塚ファン
なんでしょうね。
りんどう鴉 (1957)
2021-10-27

11月の衛星劇場で高田浩吉の時代劇を何本かやるんですが、これが
その中の1本でラベルを作ってみました。
監督は福田晴一。
高田浩吉はりんどうの政と言う旅がらす、つまりタイトルの鴉(からす)は
旅がらすをさしているのが解る。
私は未見ですが、旅がらすの高田浩吉が馬の市の売上金を盗んだ土地の
ヤクザの柳永二郎に濡れ衣を着せられるも、それをを晴らすまでの話が、
大筋のようです。
高峰三枝子、瑳峨三智子、雪代敬子と共演の女優が豪華で、他に
近衛十四郎、北上弥太朗、清川虹子などが共演。
動画サイトで高田浩吉が歌う主題歌が聴けます。
りんどう鴉はココ
またデビュー間もない島倉千代子が出演していて「りんどう峠」
と言う挿入歌を歌っています。
りんどう峠はココ
ある朝、突然に・・・(1972)
2021-10-22


AXNミステリー・チャンネルの「火曜日の女シリーズ」の連続放送。
5作目の「木の葉の家」はラベル作成済なので6作目の浜美枝が
主演の「ある朝、突然に・・・」です。東宝が制作で監督はこれも
山本迪夫です。
最初に言って置かなければいけないのが、主要な出演者の
浜美枝、佐藤友美、真屋順子、北あけみの4人が女学校時代の
同級生だと言う事です。(第1回にクラス会のシーンがある)
先ず、事件は真屋順子の旦那の清川新吾が会社の金を使い込み
行方不明になり、あるホテルで毒殺されてしまう。
この時点で清川新吾と浜美枝の旦那の細川俊之の共通点は
佐藤友美がやってるクラブの客、と言うことだけですが、真屋順子
が雇っている私立探偵に細川俊之がホテルを訪ねるところが
写真に撮られてしまい、細川俊之に疑いがかかるが、今度は
その彼が殺され真犯人たちの巧妙なトリックによって妻の浜美枝
が犯人にされ追われる事となる。
ドラマは浜美枝がこの濡れ衣を晴らすまでを描いています。
で出演者ですが

今回活躍する刑事たちの宇南山宏(左)と灰地順
灰地順はまた刑事役
宇南山宏はロマンポルノのご常連俳優でしたが
早くに亡くなりました

宇南山宏と灰地順の上司の刑事主任の
北城寿太郎

真屋順子が雇った私立探偵の草薙幸二郎
職務に忠実な探偵役

細川俊之の同僚役の貫恒実

貫恒実は「人喰い」の時も出ていて
この時は児玉清の後輩の社員役

細川俊之の上司の部長役の河村弘二
本筋には無関係

浜美枝たちの同窓生の1人の桜田千枝子
この人も本筋には無関係

清川新吾が殺されたホテルのボーイ役の
園田裕久 その後ホテルをやめスナックの経営をしてる

園田裕久と一緒にスナックをやってる恋人?の
吉田瑠美子
浜美枝の目撃者たち

下田のホテル近くでで浜美枝を見たと言う
アベックの女性役の水の江じゅん

ガソリンスタンドの店員役の
辻しげるで後の辻三太郎

浜美枝を見たと言うお店のおばちゃん役の
橋本菊子

産業省とか言うお役所の役人役の
宮川洋一 これはかなりの重要人物

浜美枝が見ているテレビの出演者の評論家の
藤原弘達
ただカメオ出演ではなく、ちゃんとクレジットに
名前がある
さて、
松尾嘉代、武原英子、范文雀、十朱幸代、星由里子、浜美枝に
これから再放送の酒井和歌子、林美智子が登場した「シリーズ」
ですが、当時の私が勝手にした彼女たちの序列ですが、
やはり60年代の東宝のトップ女優だった星由里子、浜美枝が
双璧で次に酒井和歌子、林美智子と言ったところでしょうか。
あれから50年たった今やったらどうなりますかね。(笑)
渡り鳥いつまた帰る (1960)
2021-10-18
甘い秘密 (1971)
2021-10-15

これもまた監督が吉村公三郎で脚本が新藤兼人のコンビの映画で
主演は佐藤友美。近代映画協会(吉村公三郎や新藤兼人が
作った会社)が制作で松竹が配給しています。
今月、衛星劇場で放送しています。
作家志望の佐藤友美が女を武器に男たちを利用していく話です。
彼女が上京するまでの男が入江洋佑や小松方正 、上京後が
作家の小沢栄太郎 、出版社の伊丹十三、画家の細川俊之と
言った男たちとの愛欲生活が描かれています。
正直、面白くありません。どうも1968年ころに作られたようで
モノクロだし退屈な映画です。巨匠の作品なんでなんとか公開に
至ったような気がします。
友美さんもそうですが、小沢栄太郎、細川俊之、入江洋佑、初井言栄、
岩崎加根子、東山千栄子など俳優座に所縁のある人たちが多く
出演しています。
人喰い (1970)
2021-10-13


AXNミステリー・チャンネルの「火曜日の女シリーズ」の連続放送。
「男と女と」に続き4作目で、これも「男と女と」と同じで笹沢佐保
の原作。主演が十朱幸代で監督は浅野正雄。
十朱幸代と江夏夕子の姉妹は本多火薬工業に勤めていて、
姉は本社、妹は工場に勤務、姉には児玉清、妹には社長夫妻
(辰巳柳太郎、川口敦子)の息子の宮浩之と言う恋人がいる。
しかし社長夫妻は良家の子女の磯野洋子との縁談を進めていた。
思い詰めた宮浩之と江夏夕子は山梨で心中を図るのだが、
男の死体だけ発見される。
警察は偽装心中として江夏夕子を追って行く、と言うストーリー。
妹に不利な事実が積み重なる中で、姉の十朱幸代は恋人の
児玉清の力を借りながら、独自に事件を追って行く流れです。
あと、専務役が高橋昌也です。
まあ、アガサ・クリスティーが好んで使う手法ですね。
で出演者ですが

社長夫妻の息子役の宮浩之

説明不要かと思いますが妹役の江夏夕子
顔が好みでかなり好きな女優さんでした
本作でも実に可愛らしいです

宮浩之の縁談相手の磯野洋子
この人も有名なので説明不要でしょう
ドラマの最初の方は出番が少ないので、なんで彼女が
出てるのか、と思いますが徐々に増えていきます

工場にいる女子社員のしめぎしがこ
美人ですが悪女役が多い人で
今回も面目躍如です

工場で作業中の建設会社の責任者の佐伯徹
脇役ではかなりの有名人
ネタバレですが途中で殺される1人

社長宅のお手伝い役の真木沙織
地井武男氏の奥様だった人
残念ながら地井さんより先に亡くなってるようです

山梨県警の刑事役の灰地順
刑事役を多くやった人

こちらは東京の刑事役の菅野忠彦

最後にこの人だけ名前が不詳で江夏夕子の
工場での友達役
クレジットを追っていくと吉田喜美と言う名前では
と思うんですが、可愛い女優さんなんで名前が
知りたいです
以上
銀座の若大将 (1962)
2021-10-10
男と女と (1973)
2021-10-09


AXNミステリー・チャンネルの「火曜日の女シリーズ」の連続放送。
「恋の罠」「クラスメート-高校生ブルース-」に続き3作目ですが、
「クラスメート-高校生ブルース-」は既にラベル作成済みなので、
この作品。笹沢佐保の原作、范文雀 が主演で監督は大映で多くの
作品を演出した井上芳夫。と言うことで大映の出身者が多く脇を
固めています。
別々に起こった3つの殺人事件(最初は自殺・事故・殺人のどれなのかハッキリ
しない事件もある)が複雑に絡み合いながら徐々に繋がって行く
ストーリーになっています。
3つの事件は
・大物弁護士の見明凡太郎が箱根の西湖で遺体がみつかる。
彼の周りには年の離れた妻(長内美那子)と弟子の弁護士(竜崎勝)
がいる。
・箱根に向かう列車から転落した女(本山可久子)の死体が翌朝見つかる。
彼女の周りには小さな労働組合の委員長をしている夫(蜷川幸雄)、
その愛人の事務員(高樹蓉子)、本山可久子の弟(村野武範)が
いる。
・臨時のタイピストを首になった范文雀と伊藤るり子がやけ酒を飲んでいる
時に知り合った顔のハッキリしない男と3人で連れ込み宿に泊まったが
朝、起きて見ると男が死んでいた。巻き込まれたくない二人は、その場から
逃げ出してしまい、すぐに身元もばれて追われるはめになる。
伊藤るり子は逃げる途中に警官の尋問を受けて逃げ出し、踏切で電車に
跳ねられ死亡。
尚、死んだ男は後に郵便配達人の中井啓輔と判明する。
で逃げ回る范文雀と姉の死が夫の蜷川幸雄の仕業ではと疑った村野武範が
偶然出会い協力して事件を追うのが大筋です。
で出演者を何人か紹介

見明凡太郎の家の女中役の三笠すみれ
大映の専属だった可愛らしい女優

高樹蓉子
蜷川幸雄の愛人役の事務員 美人!

労働組合の所有の保養所の管理人夫婦の
目黒幸子と夏木章 二人とも大映の脇役で有名

中井啓輔
殺される郵便配達人

三夏紳(伸)
中井啓輔の同僚の郵便局員
この人も大映

これは「森村誠一の終着駅シリーズ」のオカマのオジさん役の
三夏紳(伸)

原作者の笹沢左保がカメオ出演
湖近くで范文雀に声をかける男で本筋とは無関係
と言ったところです。
スーパージャイアンツ1部・2部 Atomic Rulers (1957)
2021-10-06

これが記念すべき宇津井健が主演の「スーパージャイアンツ」の1作目、
2作目で2話で完結になっています。正式には
・スーパージャイアンツ 鋼鉄の巨人
・スーパージャイアンツ 續鋼鉄の巨人
のタイトルで、これも監督は石井輝男。
そもそもの設定は核実験が頻繁に行われる地球を危惧した
宇宙人たちが平和の使者としてスーパージャイアンツを地球に
送り込んだ、と言うのが始まりになっています。
で今回は地球を支配しようとする秘密結社のアトムAB団の野望を
阻止しようとするスーパージャイアンツの活躍を描いています。
登場人物は
教会の神父(高田稔)、シスター(池内淳子)、そこで育てられている
孤児たち(大沢健三郎、勝間典子など)とその知り合いの刑事
(中山昭二)とその妹(瀬戸麗子)と言ったところです。
スーパージャイアンツ3部・4部 Invaders from Space (1957)
2021-10-05

これが宇津井健が主演の「スーパージャイアンツ」の3作目・
4作目で2話で完結になっています。正式には
・鋼鉄の巨人 怪星人の魔城 (1957)
・鋼鉄の巨人 地球滅亡寸前 (1957)
のタイトルで、これも監督は石井輝男。
地球を侵略しようとする怪星人カピアに対抗するスーパー
ジャイアンツの活躍を描いているのですが、彼らの邪魔になる
科学者たち( 高松政雄、中村彰)の子供たち(山田美奈子、
岩下亮、阿部誠、勝間典子)が重要な役を演じています。
美人だけど新東宝の他の作品では存在感の薄い山田美奈子さん
(日劇ダンシングチームの出身らしい)が珍しく大きな役を演じて
います。子役の勝間典子さんも愛嬌があって可愛いですね。
スーパージャイアンツ5部・6部 Attack from Space (1957/1958)
2021-10-04

宇津井健が主演の「スーパージャイアンツ」は「スーパーマン」の
日本版として新東宝で9作作られ、最初の6作までは前後編の
2作で完結で、7作目以降は1話完結になっています。
本作は5作目と6作目の2話からなっています。正式には
・スーパージャイアンツ 人工衛星と人類の破滅 (1957)
・続スーパージャイアンツ 宇宙艇と人工衛星の激突 (1958)
のタイトルですが、番号をふった方が解りやすいのでそうしました。
監督は石井輝男。
ナチスドイツみたいな秘密結社が宇宙から地球を攻撃しようするのを
阻止しようとするスーパージャイアンツの活躍を描いています。
宇津井健以外では林寛、三ツ矢歌子、池田輝久、浅見比呂志の
4人しか味方がいない映画で、他は殆んど全員が結社の人間と言う
凄い作品です。
注目は横浜の外人墓地が出てくるところと、三ツ矢さんの
セーラー服姿でしょうか。(笑)
富嶽秘帖 正編・完結編 (1959)
2021-10-03
ねんねこ社員 (1956)
2021-10-02

北原義郎が主演の大映のコメディー映画で45分もない
シスターピクチャーで監督は斎村和彦。
今月、衛星劇場でやっています。
化粧品会社の独身社員の北原義郎が偶然拾った赤ん坊を
押し付けられたことから起きる騒動を描いた軽い映画です。
相手役は専務(ジョー・オハラ)の秘書の八潮悠子(大映の
ターザン映画の「ブルーバ」に出ていた女優)、専務の姪で
北原の上司が倉田マユミ、他に岡村文子、中条静夫、潮万太郎、
二木てるみなどが共演しています。
倉田マユミさんは「ノンちゃん雲に乗る」を監督した倉田文人の
娘さんだそうで、それであの映画に出てたんですね。
私が子供の頃は赤ん坊を背中におんぶするねんねこスタイルは
当たり前だったんですが、今は本当に見かけなくなりましたね。